Part 1 の はじめに
2010/11/23
著者より
このブログを書き進めることができず、放置してしまいました。これよりあと、電子書籍「マイクの友だちと家族」「タケシの留学」の「はじめに」のセクションに書くことをそのまま掲載していくことにしました。これ以前とは文体が変わってしまいますが、そのまま掲載させていただきます。
外国語を話す力は以下の過程を繰り返しながら上達していきます。
1. 語彙、表現、話すときのルールを覚える(Input)
2. 覚えた語彙、表現を使って話してみる(Output)
3. 話したときにしてしまった間違いを訂正する(Correction)
外国語を身につけるために、まずは必要な表現を覚えなければなりません。頭の中にない言葉が口をついて出るというような奇跡が起こることはないのです。覚えたら、次はその表現を使うことです。使った表現は自分の言葉になりますが、使わない表現は忘れてゆきます。必要ない知識がいつまでも頭の中にとどまっていることはないのです。ですから、覚えた表現は間違いを恐れず、どんどん使うことです。
覚えた表現を実際に使って話してみると、多くの間違いをすることに気づくと思います。母国語を話すときはあまり間違えないし、間違ったとしてもたいてい気づいて言い直すのに、外国語を話す場合は誤りに気がつかないこともあれば、よく知っている言葉でも、英語表現が口をついて出てくるときに間違った形を言ってしまうこともあります。外国語を話すときは、母国語を話すときより間違える頻度が高くなるのです。
そこで必要なのが話すときのルール。ルールを知っていれば誤りに気づき、どのように訂正すべきかがわかります。ルールを知らないまま語彙だけを増やしても、いつまでも同じ間違いを繰り返す、いわゆる「外人しゃべり」になります。たとえば、日本語を話す外国人の中にみられるような「あの赤いの花、きれいなねぇ」というような話し方です。
話すときのルールで代表的なものは文法です。それ以外にも、発音やイントネーションなどの音声学的ルールや、この状況でその表現を使うのは失礼になるというような社会言語学的ルールがあります。そうしたルールを知り、話すときの自分の誤りに気づき、それらを訂正していくことで外国語を話す力は上達していくのです。
ここまでに述べたことから、外国語を学ぶときのポイントを以下にまとめます。
・表現が使われる状況を把握して、暗記する
・表現を使うときのルールも、いっしょに覚える
・覚えた表現を使うように心がけ、間違いを恐れずに話す
・自分の誤りに気づいたら、言い直す
・状況にあう自然な表現を使うように心がける
これらのことを心に留めて実践してください。世界に向かって情報を発信したり、交渉したりするような英語力を身につけるための手がかりとして、本書が読者の皆様のお役に立つようなことがあれば、それは私にとっても大きな喜びとなることでしょう。
2010年11月 著者