初歩から学ぶ英語会話:タケシの留学 初級〜中級英語会話ポッドキャスト:Episode 27
63. Episode 27: Chatting with a Friend (3)
2014/06/20
状況:タケシは若手シンガーのジャン・カークが自分の通っている大学の卒業生だと知る。もしかしたら、ジャン・カークの知り合いが自分のまわりにいるかもしれないと思うと、ワクワクするタケシ。知り合いであることを期待ながら、友だちのリサに尋ねてみる。
ポイント:
•提案すると同時に、その提案に対する相手の意向を尋ねる “Why don’t we ...?” 「一緒に〜しない、どう?」
語句とルールの説明:
・happen to ~ 「偶然〜する」「ひょっとして〜する」
・Lisa, do you happen to know Jan Kirk?「リサ、ひょっとしてジャン・カークって人、知ってるかな?」
“happen to” という表現を添えて「ひょっとして知りませんか」と尋ねると、言外に「別に知らなくても構わないのですが」という心遣いを示すことができて、控えめな聞き方になる。友だちに対しても、こういう心遣いを示すような表現を使うことがある。
なお、“know + 人” には「人のことを見聞きして知っている」という意味と「人の知り合いである」という意味があって、このタケシのセリフはどちらの意味か、はっきりしない。
・personally 「直接に」「個人的に」
・Not personally, but I’ve heard of her. 「直接、会ったことはないけど、聞いたことはあるわ」「個人的に知り合いというわけじゃないけど、名前を聞いたことあるわ」
最後の方に上昇調のイントネーションで “..., right?” とつけ加えて、前述が正しいかどうかを相手に確認するときの表現。
・Uh-huh. 「そうよ」「ええ」
・vocal group「ヴォーカル・グループ」
・Don’t you know anything else about her? 「彼女について他に知っていることって、ないの?」
この否定疑問文は「きっと他に知ってることがあるでしょ」という期待をにじませながら、確認する役割を果たしている。
・a graduate 「(ひとりの)卒業生」
・graduate 「卒業する」
・I wonder if ... 「…かなと思う」
・I wondered if you might know her. 「彼女と知り合いかもしれないと思ったんだ」
・recent 「最近の」
・Sounds interesting. 「おもしろそうね」
“(That) sounds + 形容詞” 「〜そう」の パターン
主語は、ひとつ手前の状況やセリフを指す “That” であるが、省略されることが多い。
・go see 「見に行く」
話すときによく使う “go + 原形動詞” 「〜して来る」「〜しに行く」の パターン
“go and see” もしくは “go to see” と言っていたが、“and” や “to” を省略して “go see” の 表現 を使うことが多くなった。
・Why don’t we go see it? 「見に行かない?」
提案すると同時に、その提案に対する相手の意向を尋ねる表現 “Why don’t we ...?” 「一緒に〜しない、どう?」
友だちに「(いっしょに)〜しようよ」と気兼ねなく提案するような場合には “Let’s + 原形動詞” の パターンをよく使いますが、これは提案者が自分の意見を一方的に相手に伝える表現です。ですから、リーダー役の人が使うとリーダーシップを発揮できるのですが、相手の意向がわからない状態で “Let’s + 原形動詞” を繰り返し使うと押しつけがましい印象を与えかねません。
“Why don’t we ...?”「(よかったら)いっしょに…しない?」という表現を使うと、提案すると同時に、その提案に対する相手の意向を尋ねることができます。
このエピソードでは、友だち同士が話しているので “Let’s ....” を使って提案しても少しも不自然ではありませんが、“Why don’t we ...?” の パターンを使うことで、タケシの意見を聞こうとする姿勢をリサは見せているのです。
さらに “Why don’t we ...?” より、もっと気遣いを示したい場合は、 “Shall we ...?”「(いっしょに)〜しましょうか(どうしましょう)?」という表現を使って、相手の意向を尋ねるようにしましょう。
・ Let’s ...
・Why don’t we ...?
・Shall we ...?
これらの3つの表現は意味がだいたい同じだと説明されている文法書がありますが、話し言葉として使うときには、それぞれニュアンスの異なる表現です。違いを理解して、相手や状況によって使い分けるようにしましょう。