初歩から学ぶ英語会話:タケシの留学 初級〜中級英語会話ポッドキャスト:Episode 39
67. Shopping at a Supermarket (1)
2014/08/07
状況:
旅行から戻ったタケシにアメリカでの日常生活が戻ってきた。リサの買い物につき合って、タケシは今、スーパーにいる。リサのホームパーティのために準備をしているところなのだ。
ポイント:
*食べ物の数え方(可算名詞の例) "six steaks"「ステーキ 6枚」
*食べ物の数え方(不可算名詞の例)"a block of ham"「ハム ひと塊」
*「…しても、かまいませんか?」と尋ねて婉曲的に依頼するときの "Do you mind ...?" の パターン
1. 依頼を受けるときの応答例 "Not at all." 「かまいません」
2. 依頼を断るときの応答例 "Sorry, ..." 「すみませんが、…なので」(断る理由を述べる)
*可能性や推量を表す助動詞 "should" 「〜だろう(と思う)」「多分〜のはず」
語句とルールの説明:
・We've got ~ = We have ~ 「〜がある」「〜を持っている」
話すときには "have" と同じ意味で "'ve got" をよく使うが、書き言葉としては使わない。このエピソードでは、ショッピングリストとカートを見比べながら「カートに入れてある」という意味で使っている。
・six sirloin steaks 「サーロインステーキ 6枚」
"steak" は可算名詞で、複数形は "steaks"
可算名詞は "数 + 名詞" の パターンにして数えるのが基本
"数 + 名詞" の パターン例:
なお、数えられる名詞か、数えられない名詞かという判断は英語を母国語として話す人々の間ですでになされ、分類されているものとしてとらえるようにしよう。英語の名詞は下記の3種類に分類される。
1. 可算名詞として扱われるもの
2. 不可算名詞として扱われるもの
3. 可算名詞としても不可算名詞としても扱われるもの
上記、3種類の名詞を使った例文が「マイクの友だちと家族」エピソード15 の下の方、M & H より の セクションにあるので、そのセクションの(例文1)〜(例文6)を 参照のこと。
・a block of ham, three packs of sliced cheese, ... a loaf of bread, a bunch of spinach, ... 「ハムをひとかたまり、スライスチーズを3パック、… パンを1本、ホウレンソウをひと束、…」
"ham" "cheese" "bread" などは通常、不可算名詞として扱い、複数形がない。塊ごと、パックごと、あるいは、スライスしたものを1枚、2枚、…と数える。もしくは、重さを量って "pound (= lb 記号)" という単位で表す。1lb = 0.4536kg
ハム、チーズ、パンの数え方の例:
"spinach" は不可算名詞で "bunch"「束」ごとに数える。「束」以外にも「ふさ」状のものには "bunch" を使う。"bunch" を使って数えるものには、不可算名詞ばかりでなく可算名詞もあるが、"a bunch of ~ " や "bunches of" を使って可算名詞を数える場合には、1本や1粒では束や房にならないので、その可算名詞は当然のことながら 複数形になる。
"bunch" を使った数え方の例:
・two dozen eggs 「卵、2ダース」
"egg" は 可算名詞なので、"数 + 名詞" の パターンにして、たとえば "two eggs" 「卵、2個」のように数えることができるが、12個を1パックにして売られていることが多く、その場合は "dozen"「ダース」を使って数える。
英語圏では卵以外の物も "dozen" を使って、「ダース」ごと、「12」ごとに数えることが多い。
「〜ダースの名詞」と言うとき、 "数詞 + dozen +名詞" のパターンにするのが今日では一般的で、"dozen" には複数形の "s" をつけないし、後続の名詞との間に前置詞 "of" を置かない。 ただし "dozens of" 「数十の」という慣用句は例外で、"dozen" に複数形の "s" がついて "dozens" の形になり、直後に前置詞 "of" が置かれる。
"dozen" を使った数え方の例:
話し言葉の中では "a dozen" や "dozens of" が「12」や「数十」ではなく「たくさんの」という意味を持つことがあり、話の内容や前後関係、話し手の口調や表情などから、その意味を判断しなければならないことがある。判断に迷うときには "You mean 'a lot of ~ '?" 「たくさんの〜ということですか?」というような表現を使って確認してみるのもひとつの手と言える。
(例文1)I've heard this story a dozen times before. 「この話は以前に何度も聞いたことがある」
(例文2)He's had dozens of girlfriends. 「彼は数多くのガールフレンドとつき合ってきた」
(例文3)Wow, dozens of dozens of ants! 「ひぇ〜、蟻がいっぱい!」
・..., three pounds of potatoes 「ジャガイモ、3ポンド」
"egg" 同様、"potato" も 可算名詞なので、"数 + 名詞" の パターンにして "two potatoes"「ジャガイモ、2個」というように数えることができるが、袋詰めで売られているか、もしくは量り売りにされていることが多いので、その場合は "pound (= lb 記号)" という単位を使って重量を表す。
肉、野菜、果物などの食べ物から体重まで、"pound (= lb 記号)" はアメリカで重量を表すのによく使われる単位。
"pound (= lb)" を使った重量表現の例:
・go through 「(お金や食べ物を)使い果たす」
・We’re not going to go through that much at our party, are we? 「僕らのパーティでそんな大量に使い切るつもりじゃないよね?」
「…じゃないよね?」と確認する否定の付加疑問文:付加疑問文でカンマの前が否定文のときは、後の部分を否定疑問ではなく、通常の疑問の形にして付加する。
否定の付加疑問文の例文:
(例文1)You don't mean that, do you? 「本気で言ってるわけじゃないよね?」
(例文2)That's not so bad, is it? 「そんなに悪いわけじゃないよね?」
否定の付加疑問文や否定文に応答するとき、"Yes" "No" が、日本語の応答とは違うので注意!
"We’re not going to go through that much at our party, are we?" という質問に応答するとき、
全部使うつもりじゃないときの返事:No.
全部使うつもりのときの返事:Yes.
・help ~ out/help out ~ 「(一時的に人を)助ける」「手伝う」
・Do you mind helping me out for another half hour? 「あと30分、手伝ってもらってもかまわないかしら?」「もう30分、つき合ってもらってもかまわないかしら?」
「…しても、かまいませんか?」と尋ねて婉曲的に依頼するときの "Do you mind ...?" の パターン
このパターンを使うと押しつけがましさがなく、丁寧な感じになる。家族や親しい友人に対しても、少し頼みにくいと思いながら物事を頼むときには、このように婉曲的な頼み方になることがある。
パターンとしては "Do you mind ~ing?" と "Do you mind if ...?" がある。
(例文1)Do you mind waiting? 「お待ちいただいてもかまいませんか?」
(例文2)Do you mind if we join you? 「ご一緒してもかまいませんか?」
"mind" という動詞は「嫌だと思う」という意味。したがって「…してもらうとすれば嫌でしょうか?」と尋ねられて「…してあげようと思う」ときは「嫌ではありません」と応答することになる。日本語を母国語とする者にとって、最初のうちは応答の仕方に戸惑うので、的確に返事できるように基本を押さえておこう。
(例文3)Do you mind if I sit here? 「ここに掛けてもかまいませんか?(ここに掛けたら嫌ですか?)」
1. 座っていい場合の返事:
Not at all. 「かまいません(全然、嫌じゃありません)」/ No, go ahead. 「かまいませんので、どうぞ(お掛けください)」
2. 座られたら困る場合の返事:
Sorry, this seat is taken. 「すみませんが、この席は使っているので…」
・I'm afraid (that) + 文 「(言いにくいことだけど)…じゃないかと思って」「…ではないかと心配で」「(好ましくないことについて)…と思う」
相手に遠慮しながら言うときによく使う表現
(例文1)I'm afraid he's gone for the day. 「申し訳ございませんが、彼は本日、すでに失礼させて頂きました」(電話の相手が〜さんをお願いしますと言うが、その人が帰ったあとだった場合の返事)
・I’m just afraid you’re buying too much. 「買い過ぎなんじゃないかって、ちょっと心配なだけさ」
・Let me see. 「ええっと…」「ちょっと待って…」
何かしたり、考えたりするのに時間がほしくて、相手に少し待ってもらうときによく使う表現
・Anything else I need to buy? Skim milk, maybe. 「他に買わなきゃいけない物は? スキムミルクかしら」
ここで、リサはスキムミルクが足りなかったような気がするが、記憶が曖昧なので "maybe" 「もしかして、そうだったかしら」と付け足している。
日本でスキムミルクと言うとホームベーカリーでパンを焼くときなどに使う脱脂粉乳を指すことが多いが、ここではポリ容器や紙パックなどに入っている液状の無脂肪乳を意味している。アメリカでは、脂肪の調整をしてない牛乳は "whole milk" と呼ばれるが、"whole milk" より "2% milk" と呼ばれる低脂肪乳や "skim milk"「無脂肪乳」の 方が好まれる。
・gallon 「ガロン」
液体の量を表すときの単位
アメリカの 1 gallon = 約3.785ℓ
イギリスの 1 gallon = 約4.546ℓ
・Half a gallon should be enough. 「半ガロンもあれば十分でしょう」
可能性や推量を表す助動詞 "should" 「〜だろう(と思う)」を使った表現
「〜すべき」という義務を表す助動詞 "should" と学校で習った覚えがあるが、話し言葉の中で義務を表す頻度は意外に低い。話すときに使う "should" は義務よりも、もう少し穏やかな感じのする使い方が多く、「〜した方がいいよ」というアドバイスするときに使ったり、「〜だろう(と思う)」というように可能性や推量を表したりする。
アドバイスの "should" は「タケシの留学」Episode 27 の中で "You shouldn’t miss it."「見逃す手はないよ」と友だちがタケシにアドバイスするのに使っている。
「〜するのがよい」とか「当然〜すべき」という意味の良識的判断を表す "should" は義務に近い意味あいを持っているが、それでも義務と呼べるほど強い意味ではない。
良識的判断を示す “should” の 例文:
(例文1)You should be in bed. It’s already past midnight. 「寝なきゃダメよ。もう夜中過ぎてるんだから」
(例文2)You should keep your promise. 「約束は守るべき」
なお、可能性や推量を表す “should” のあとに置く動作を表す動詞は進行形にする。それに対し、アドバイスの “should” のあとに置く動作を表す動詞は進行形にしない。
(例文3)She should be studying in the library by now. 「彼女は今頃、図書館で勉強中だと思うよ」(推量)
(例文4)She should study in the library. 「彼女は図書館で勉強した方がいいと思うよ。」(アドバイス)
・Well, it looks good, though. 「まあ、おいしそうなことは、おいしそうだけど」
話し言葉の途中で "..., though, ..." と挿入したり、最後に "..., though." とつけ加えたりすると「…だけど」という逆接の文になる。
・quarter 「4分の1」
・a quarter pound 「4分の1ポンド」
・veggie 「野菜」
複数形は "veggies"
アメリカでは “vegetable” の 代わりに “veggie” という短い単語を話し言葉として使うことが多い。
重量と液量の計測単位として世界の多くの国々では、日本と同じように、グラム( g )、キログラム( kg )、リットル( ℓ )などを使います。しかし、アメリカでは “ounce (= 28.3495g)" “pound (= 0.4536kg)" “pint (= 0.47ℓ)" “gallon(= 約 3.785ℓ) などを使います。これらは英語圏で使われてきた計測単位ですが、英国ガロンと米国ガロンの量が異なるなど、英語圏以外の人にとってはやっかいな感じがします。
長さや質量の単位として、アメリカの法律ではメートル法が公式の単位になっているはずですが、ヤードやポンドの使用を法的に禁止していないため、大部分の人が慣習的に使ってきた単位を使い続けています。アメリカは、メートル法という国際基準が通用しない国だと言ってよいでしょう。
同じ英語圏でも、カナダやオーストラリアでは、メートル法が通用します。イギリスは法律上、国際基準単位への移行が完了しているそうですが、旧単位を禁止しそびれ、日常会話において、ヤードやポンドから脱しきれない状態のようです。
今回のポッドキャストは、動画入り電子書籍「タケシの留学」Part 8 に入れる予定の Episode 39 をお届けしました。